お菓子作り初心者でも上手にスポンジケーキを作る方法
上の写真のスポンジケーキ2つは同じ分量の材料で出来ています。
左側のスポンジケーキはふっくらと形良く出来ていますが、
右側のスポンジケーキは高さが無く歪な形になっています。
使用したオーブンは家庭用のオーブンレンジを使用しています。
幾つかのポイントを押さえて作ると 誰でも左側の様に、
ふっくらとしたスポンジケーキを作ることができます。
そんな方法を元パティシエのコローが教えます。( ^^)
今回使用した配合はコチラです。↓
スポンジケーキ (ジェノワーズ) 配合
18cm(6号)焼き型 1台分
スポンジケーキの失敗しない作り方 (共立て法)
1 焼き型の準備
焼き型に合わせてクッキングシートを底面と
側面をこの様な形に切り抜き 加工します。
型に側面シートを張り付ける
シートの癖が強く 丸まってしまう場合は
『水あめ』や『蜂蜜』、または これから作る
『生地』を『のり』代わりにして張り付けるとよいです。
底面を乗せて型は完成
※クッキングシートは裏表があるものがあります。
仕上がったスポンジケーキから剥がしやすいように、
ツルツルして艶がある面が内側になる様にしてください。
生地を作る前にオーブンを180℃で余熱しておく。
2 生地を泡立てる
バニラオイル以外の各材料を計量し、
大きめの『ボール』か『フライパン』などで湯煎(ゆせん)をつくる。
『バターと牛乳』は合わせて耐熱容器に入れ湯煎で溶かしておく。
L玉3個は あくまで目安です。
計量した 薄力粉とグラニュー糖を『ふるい』にかける。
ダマ取りと薄力粉に空気を含ませる為です。
全卵とグラニュー糖をホイッパーでよくすり混ぜ、バニラオイルを加える。
高温の湯煎にかけても固まりにくくなります。
バニラオイルは高温に強いので
焼き菓子はバニラオイルがお勧めです。
湯煎にかけている際は軽く攪拌し、
熱が付いたら『ぬれ布巾』の上に移して
しっかり攪拌します。
それをしっかり泡立つまで繰り返します。
表面張力が弱まり泡立ちやすくなる特性があります。
スポンジケーキを作る際に大切なポイントになります。
生地をホイッパーで垂らすと線が書ける。
生地をホイッパーで垂らしても線が書けない。
『良い例』 のようにしっかり泡立ったら
『ぬれ布巾』の上で粗熱が取れるまで攪拌します。
ボールの底を触って熱さを感じなくなるまで。
温度は25℃前後まで
気泡が潰れにくくなります。
最後に 気泡の大きさを整える為、
ゆっくり円を描くようにホイッパーで3~4週 混ぜる。
※大きすぎる気泡があると食感が悪くなる為、
気泡の大きさを整えます。
3 粉を混ぜ合わせる
ふわっと乗せるように加える。
ような感じで、粉がほぼ見えなくなるまで
ゴムベラを大きく動かして混ぜる。
粗熱を取ってあれば気泡は消えにくいので、焦らずしっかり混ぜることが大切
一部を加えよくなじませ、
バターの筋が見えなくなり生地に艶が出るまで
流動性が無いと、生地の気泡を消してしまうので、
しっかり熱が付いていることを確認してから加えてください。
雑に混ぜ、気泡を消してしまった生地
『ツヤがなく』『水っぽい』
4 生地を焼く
1回だけ 平らで硬い床などに
型ごと落とし衝撃を与え、余分な空気を抜きます。
180℃15分 → 170℃10分で焼く
焼き上がりの時間はあくまで目安で、
竹串を中心に刺して生地がくっついてこなくなるまでです。
オーブンに入れた際の生地の温度で焼き時間に差が出てきます。
良い例
雑に混ぜすぎてしまったスポンジ。
10cm程の高さから、平らで硬い床などに
型ごと落とし衝撃を与えて水蒸気を抜き、
型から外し逆さにして網の上で冷やします。
その際にスポンジケーキの形が変形してしまいます。
これはスポンジの上面と下面では密度が違う為、
密度の高い下面を上にして冷ますと形が変形しづらいのです。
スポンジケーキの成功と失敗例
同じ分量の材料でも、作り方でこれ程の差が出てしまいました。
5cm弱の高さが出た形の良いスポンジ
3cm弱しか高さが出なく台形になってしまったスポンジ
断面
しっかり気泡が入っている
ほぼ気泡が無く上面と下面が窪んでいて、
焼き時間が足りずに中心が少し生焼け。
スポンジケーキは、ケーキ作りの基盤です。
しっかりポイントを押さえて作れば難しくはありません。
『スポンジケーキの上手な作り方』は以上になります。
ここからは、スポンジケーキについて少し深堀していきます。
スポンジケーキの作り方は共立て法と別立て法に分かれます。
今回は共立て法を紹介しましたが、
卵黄と卵白を分けて泡立てる別立て法という製法もあります。
この2つの特徴を説明します。
共立て法の特徴
今回紹介しました 卵を全卵として泡立てる方法です。
シロップをしみ込ませるのに丁度よい密度に仕上がる。
別立て法の特徴
卵白を卵黄を別々で泡立てる方法です。
サクッとしたモロイ食感になる。
シフォンケーキに向いた製法です。
スポンジケーキが膨らむ理由
泡立てた卵の気泡を砂糖がコーティングして丈夫な気泡にします。
卵の水分を吸収した薄力粉がグルテンを形成します。
オーブンで加熱すると、卵の気泡が膨張して生地全体が膨らみ、
熱でグルテンが固まり、膨らんだ形を固定してくれるので、
スポンジは膨らむのです。
また綺麗な焼き色が付くのは砂糖のメイラード反応によるものです。
更に詳しく知りたい方は各材料の特性を見てください。
理解も深まり、お菓子作りでの 失敗も減っていくはずです。
コローの一言
昔、学校の先生が言っていたことを思い出しました。
『スポンジはただ膨らますのではなく、
目的に合ったキメのスポンジを作るのが大切だ』と
今回、失敗例と成功例を食べ比べてみたら
意外に失敗例の食感がシットリとしていて美味しかったのです。
恐らく、成功例より失敗例の方が、
中の気泡がキメ細かかったからです。
ただ形が悪すぎて実用性には欠けるので、
成功例と失敗例の中間を目指して作れれば
きっと、最高のスポンジケーキが作れるのでしょう。
その為には、何度も繰り返し作って、
卵の泡立て具合・混ぜるときの気泡の消し具合を覚える事が必要です。
そうすれば目的のケーキに合ったベストな食感のスポンジケーキを作ることが出来るはずです。
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