奥深い味 田舎パン『パン・ド・カンパーニュ』
パン・ド・カンパーニュとは
パン屋さんで見かける 見た目が綺麗だけど『大きすぎ』『食べ方がよくわからない』などで敬遠されがちなパン。
ですが、実は「パンの原点にして最高のパン」といってもいいくらい味わい深いパンなのです。
『パン・ド・カンパーニュ』は昔フランスの郊外で作られていたパンで、精製度の低かった小麦粉とライ麦粉を混ぜ、自家製の天然酵母で膨らませ焼いたフランス語で『田舎パン』という意味のパンです。
日持ちすることから保存食としても重宝されてきました。
粉・水・塩 のみのシンプルな材料に天然酵母を使用し 香りと風味が豊かでズッシリとした重さが特徴で、イーストが開発され小麦粉の精製技術が上がりフランスパンなどが作られるまでは主流だったパンです。
近年は ライ麦や全粒粉と天然酵母が生み出すワインのような奥深い味と香ばしさで注目されてきています。
厚めにスライスしてオーブントースターでリベイクして食べるのがおすすめで、ワインやチーズとも相性が良いです。
記事の後半で食べ方について記載します。
※リベイク トースターなどで温め直すこと
天然酵母とイースト
首都圏でパン・ド・カンパーニュの美味しいお店 4店舗を紹介
おススメの4店舗は『丘の上のパン屋』『チクテベーカリー』『ルヴァン富ヶ谷店』『パーラー江古田』になります。
それでは散歩がてらお店に向かった時の記録をどうぞ
丘の上のパン屋
神奈川県横浜市美しが丘の駅から離れた閑静な住宅地の丘の上に建つ丘の上のパン屋。
国産小麦と、小麦から起こす自家製天然酵母を使用したお店です。
専用の駐車場があるので車でもアクセス可能。
東急田園都市線・横浜市営地下鉄ブルーラインの「あざみ野駅」で下車。
「1回目の訪問時に道中の写真を撮り忘れてしまって (〃∇〃)
もう一度訪れて撮った写真なので お店の写真と天気がずれています。」
29系統のバスで10分ほどの蓬谷戸へ向かいます。
他の系統のバスでもアクセスできるみたいですが、今回はこのバスに乗車しました。
蓬谷戸で下車。
そこから坂道を上り3分ほどで丘の上のパン屋に到着。
美しい緑の丘一帯が敷地となっていて、イートインエリアもあります。
平日の開店時間 9時でしたが、5~6人の列ができていました。
店内は少人数ずつ入店してパンを選び購入後、テラス側出口から出ていく仕組み。
パン棚
ハードパンから食パン、デニッシュと幅広い種類のパンが並んでいる。
様々な層のお客さんから人気があるわけがわかる。
サンドイッチ棚
ハードパンとクロワッサンのサンドイッチ。
そして今回の目的のパン・ド・カンパーニュ、
となりにはクルミ入りのカンパーニュもある。
カンパーニュとエッグタルト、リュスティック、クロワッサン、栗のデニッシュを購入。
お店の造りから楽しめるエンターテイメント的な感じは、私が大好きな新百合ヶ丘のお菓子屋「リリエンベルグ」と通じる感じがあり、つい写真を撮り過ぎてしまった。
せっかくなので撮った写真を少し載せさせていただきました。
店舗情報 丘の上のパン屋
所在地:神奈川県横浜市青葉区美しが丘西3丁目8−8
TEL:045-530-9683
定休日:月・火
チクテベーカリー
東京都八王子市南大沢にあるチクテベーカリー
自家製天然酵母を使用したハードパンとサンドイッチで有名なお店。
駅から徒歩10分ほどの マンション1階部分にある商店街の一角にお店を構え、商店街に駐車場があるので車でもアクセスできます。
京王相模原線の 南大沢駅で下車。
アウトレットパークや大型のショッピングモール、大学のキャンパスと隣接した駅で多くの人で賑わっていました。
駅の北側に広がる三井アウトレットパークはヨーロッパ風の造りで、南町田のグランベリーパークと比べると少しコンパクトな印象。
そのアウトレットを通りぬけると、東京都立大学のキャンパスへと通じています。
チクテベーカリーへはアウトレットと反対の南側に行きます。
公園を通りぬけ、多摩ニュータウンのマンション群の中へ。
多摩ニュータウンは高度経済成長期に大規模ベッドタウンとして開発されたニュータウンです。
現在では老朽化と人口減少で少し寂しさと どこか懐かしさの様なものを感じられる。
つい先日 テレビでジブリの映画「耳をすませば」を観たばかりで、その舞台が多摩ニュータウンでしたので。
そんな感慨に浸っていたら目的地に到着していました。
平日の午前中に到着すると 店の前には数名の列、今日は あいにくの天気もあってお客さんが少ない。普段は行列ができるお店なのでご注意ください。
コンパクトだけどコンクリ打ちっぱなし感がおしゃれな店内。
先にサンドイッチを注文した後にパンを選ぶ流れ。
イートインスペースも有るのですが、現在コロナ禍ということで閉鎖中。
商品名には使用している小麦などの原料を作っている農家さんの名前が付いていて、素材へのこだわりが強く感じられる。
今回購入した「庄司さん中川さんのカンパーニュ」はブドウの酵母を使用していて、午後焼きの別の種類のカンパーニュは小麦の酵母を使用。
パンに合わせて使用する酵母も使い分けているそうです。
カンパーニュ、リュスティック、ビスコッティなどを購入しました。
店舗情報 チクテベーカリー
所在地:東京都八王子市南大沢3丁目9−5 コーシャハイム南大沢5号棟
TEL:042-675-3585
定休日:月・火
ルヴァン富ヶ谷店
東京都渋谷区富ヶ谷にあるルヴァン富ヶ谷店。
国産小麦と自家製天然酵母使用したハード系のパン屋さん とそのパンを使ったメニューが味わえる 喫茶ルシァレを併設するお店で、ここ東京の富ヶ谷と長野県上田市にお店を構え30年以上続く名店です。
東京メトロ千代田線の 代々木公園駅で下車。
もう10月上旬のはずなのに 青空の下に公園の新緑が映え、温かい日差しと涼しい風が夏の終わりを思い返させてくれるような日で、「今日3店舗まわる予定なのに 朝からなぜか脱力感のようなものが」
人気店の食べ歩きは夕方になると売り切れになってくる事が多いので、立ち回りが大切なのです。
「こんな時は、お気に入りのイヤホンと音楽で気分転換!」がんばるぞ!
渋谷方面に歩いてゆき「代々木公園交番前」という大きな交差点を右折したら 後はずっと直進すると到着。
赤レンガ基調の温かみのある外見のお店、おしゃれな雑貨屋か何かに見えて通り過ぎそうになってしまった。
お店の前の椅子に座っているお客さんは喫茶の順番待ちの列です。
店内に入ると大きな計りが目につきます。
大きめのハードパンは切り分けてもらいg単位で購入することができます。
隣の喫茶を利用する際は、先に順番待ちの名簿に記載してもらってから、その待ち時間でパンを購入したほうがいいかも。
こちらが「カンパーニュ317」
粗びきの全粒粉とブドウの酵母を使用。
317とはオーナーさんの誕生日からとっているそうです。
ルヴァンのすぐ隣の扉が喫茶ルシァレです。
この日は土曜日午前中、5組の列で40分ほどの待ち時間でした。
カンパーニュのトースト蜂蜜バター乗せ をいただきました。
「パンの香りと蜂蜜の甘味がたまりません」
こちらは一緒に購入したクロワッサン、今までに食べたことのない不思議な食感のクロワッサン。
クッキーのようでいて、それでもサクサクの層ができてる。美味しい
店舗情報 ルヴァン富ヶ谷店
所在地:東京都渋谷区富ケ谷2丁目43−13
TEL:03-3468-9669
定休日:月
パーラー江古田
池袋から西武池袋線で3駅の江古田にあるパーラー江古田
古民家風の建物の ハード系のパンがメインのベーカリーカフェ
江古田は急行が停車しない駅なので 各駅停車に乗車し駅北口から出ます。
南口の商店街は賑やかな感じに対し、北口の商店街は少し落ち着いた雰囲気。
商店街を抜けた先の住宅地にパーラー江古田はあります。
一見、生活感のある普通民家完全に周囲に溶け込んでいる。
店先の大きなオリーブの木をくぐると、暖簾が見え、急にお洒落な雰囲気に包まれました。
お店に入るとすぐテイクアウト用のショーケースがあり、その裏にカフェスペース
自家製粉の小麦とぶどうの酵母を使用した「湘南小麦のカンパーニュ」
切り分けてg単位での量り売りとなっています。
土曜の昼下がり、並ぶことなくスムーズに席に着けました。
ふだんは1時間待ちなんてこともあるみたいです。
カウンター席もあるので一人でも気軽に入れるところが嬉しい。
テイクアウトのみでもOKなのですが、せっかくなので喫茶で昼食をとります。
メニューにあるサンドイッチは自分でパンと具材を選んで注文をします。
店員さんおすすめのカチョカヴァッロというチーズをカンパーニュでサンドしました。
「クセが無く ほんのり甘味があり美味しいチーズ、カンパーニュとよく合う」
ワインやエスプレッソもおすすめだそうです。
店舗情報 パーラー江古田
所在地:東京都練馬区栄町41−7
TEL:03-6324-7127
定休日:火
パン・ド・カンパーニュ食べ比べ
丘の上のパン屋「カンパーニュ」
国産小麦と小麦の酵母を使用
チクテベーカリー「庄司さん中川さんのカンパーニュ」
国産小麦とぶどうの酵母を使用
ルヴァン富ヶ谷店「カンパーニュ317」
粗びきの国産小麦とぶどうの酵母を使用
パーラー江古田「湘南小麦のカンパーニュ」
湘南小麦とぶどうの酵母を使用
食べ比べと書いたけど、正直 味の違いを言葉にするのが凄くむずかしい。
4店舗すべてに確かな違いがあるのですが、それを表現する事ができなかったです。
たとえるなら赤ワインの違いを表現するような感じで、天然酵母の中にいる酵母菌達はお店により違い、それぞれが独自の香りと酸味を出している。
酵母の出す味わい+小麦の香りと甘味+カリモチの食感(リベイクすると)
今回紹介した4店舗は特に 私がまた買いに行きたいと思ったお店でした。
パン・ド・カンパーニュのおススメな食べ方
購入後すぐに食べる分は、2~3cm厚に切り、軽く焦げ目がつくまでトーストてたべる。
残った分
冷凍することで1か月ほど保存が可能です。
冷凍保存していてもこの方法でリベイクすると まるで焼きたて、私がカンパーニュが美味しいと感じたのはこの食べ方をしてからでした。
※カンパーニュを切る際は波刃のパンナイフが必要になりますので、お店で切り分けてもらう事をおすすめします。
コローの一言
今回紹介した4店舗のカンパーニュはどこもとても美味しく順位を付けるなんて野暮ったいことはしませんが・・
ただ個人的にはルヴァン富ヶ谷店の「カンパーニュ317」の粗挽き全粒粉の野性味がある感じが特に好き。
最近、食後に冷凍庫からカンパーニュを出し、リベイクし、ウェルチ(ワイン、お酒が飲めないから・・)と一緒に食べるのが楽しみな時間となってます。 (๑´ڡ`๑)
コメント