日本三大銘の1つ『長生殿』は本当に美味しいのか? | 長生殿を食べに日本アルプスを縦断、金沢へ

ひがし茶屋街

日本三大銘菓の1つ森八長生殿はネットでは『美味しい』『美味しくない』と両端の意見がみられます。
なぜそんな両端な意見が出ているのか、実際はどんなお菓子なのかを確かめに直接 石川県金沢市の森八に行ってきました。
※【東京にも森八の支店はあります】

長生殿とは

長生殿

長生殿とは石川県金沢市の和菓子処『森八』が作る落雁(らくがん)です。

落雁というと法事の際の供え物のイメージがある方も多いと思います。
米や麦などの穀物の粉と砂糖を合わせ木型で固めたお菓子です。(よく見かける落雁のイメージ↓)

落雁

そんな落雁の中でも長生殿は加賀藩御用達、江戸への献上品としても用いられていた由緒ある銘菓。『新潟県の越乃雪』『島根県の山川』とともに日本三大銘菓の1つに数えられています。

石川県金沢市

金沢駅

金沢は石川県の県庁所在地であり、かつて加賀藩が治めていた地で加賀百万石と呼ばれる程大きな生産性をもった国でした。
現在は古くからの伝統品や歴史的建造物が残る情緒ある都市となっていて、日本海に面しているので海の幸にも恵まれています。
2015年に長野~金沢間に新幹線が開通し、東京からも2時間半ほどでアクセスできるようになりました。

日本アルプスを縦断

年末から年始にかけて珍しく連休ができた。
せっかくの大きな連休なので、納車されたばかりの愛車でドライブがてら神奈川県から石川県へ下道で行ってみることに。
もちろん一番の目的は日本三大銘菓の長生殿を味わう為。

神奈川から山梨・長野・岐阜・富山を越え石川県へ、距離は400kmほど江戸時代加賀藩が参勤交代で江戸へ向かった道?(かなり適当(;’∀’) ) をたどることに。

旅のルート
上野原の日の出

早朝の国道16号線を走り抜け山岳地帯へ入ってきたところで朝日が、ここでコンビニ休憩をはさみます。
こんな風景を見ながら飲むコーヒーはコンビニのものでもまるで喫茶店の味。
『情景は最高の調味料』という先輩の言葉をおもいだす。
・・カップ麺をすすりながら言っていたセリフでしたが、

そのまま山梨県、長野県を抜け岐阜県へ。

北アルプスの山麓に入ると積雪が目立ち、車外気温計は氷点下を指しだしてきた。

飛騨古川駅ホーム

途中休憩で立ち寄った飛騨古川の駅ホームは大ヒットアニメのシーンに使われた場所。
たどり着くのも大変な秘境なのに(飛騨市の方すみません(^_^;) ) 国内外からの観光客が目立ちます。

飛騨古川駅

空が近い、駅の時刻表を見ると空白が目立つ。
都心と違った時の流れがあるようで 私には非日常な場所、自然と肩の力が抜ける。
ここには電車を1本逃し5分待ちで気分が沈むような日常は無い(とおもう)。

時刻も夕暮れも近づき 夜間の移動は危険なのでどこかで一晩明かします。

奥飛騨温泉郷

少し離れた所に奥飛騨温泉郷という温泉地があり、ここで一泊することに。
奥飛騨温泉は人里離れた雪山の中にポツンと現れ、秘境感も相まって良い温泉地でした。

岐阜の山道

翌日は早朝から雪道を突き進み富山県を抜け石川県金沢市へ到着。

情緒漂う街 金沢市

ひがし茶屋街

金沢市にある『ひがし茶屋街』出格子が特徴の茶屋様式建築が連なる美しい街並みで、重要伝統的建造物群保存地区とされています。

金沢の金箔屋

金箔は金沢の伝統工芸品のひとつで日本一の生産量をもっています。
ひがし茶屋街でもその煌めきはひと際目を引きます。

そんなひがし茶屋街には『森八』支店が2店舗、『ひがし2番丁店』『ひがし3番丁店』とあります。

森八ひがし2番丁店
森八ひがし3番丁店

どちらも茶屋様式建築で甘味を味わうには絶好のお店。

ですが、本日訪れるのはここから歩いて10分程の森八本店です。
本店には美術館が併設されていて長正殿について詳しく知ることが出来るからです。

森八本店

兼六園近くに在る『森八本店』は茶房(喫茶)・菓子木型美術館が併設し、事前に予約をすれば落雁の手作り体験もできる店舗になります。

美術館の入館料は200円となりますが、茶房で甘味を頂くと入館料が無料となります。
せっかくなのでお茶を頂いてから美術館を見学します。

森八の甘味処

抹茶と長生殿小墨(1口サイズの長生殿)のセット。

美術館内は長生殿の作り方、歴史・歴代の木型の展示を見ることが出来ました。

金沢菓子木型美術館

木型のトンネル状展示。

繊細な味である和菓子は木型によって出来上がるといっても過言ではなく、和菓子と木型は切っても切り離せない存在、その歴史もとても長いものとなっています。

長正殿を食べた感想

長生殿

長正殿の材料は、北陸産のもち米粉・徳島産の和三盆糖・水飴・紅花色素、ととてもシンプル。

まずはカジリ付いてみるとガリッと固い砂糖をかじったような感じ、正直私はあまり好きな食感では無く そのままかみ砕いて飲み込んでしまうと味も素っ気ない。
長生殿が美味しくないと思う方はこんな食べ方をしてしまっているのではないでしょうか。

長生殿は噛み砕いて食べるもので無く口の中でゆっくり溶かして味わうお菓子なのです。
そうなると味は一転します。

じわっと滑らかな口どけ、もち米の香ばしさと甘味、和三盆の蜜のような甘味と旨味、それらが立体的でいて奥深く優しい。

茶との相性も抜群で、日本三大銘菓の1つに数えられるのにも納得です。
長生殿は間違いなく美味しい和菓子でした。

店舗情報

森八本店
所在地:石川県金沢市大手町10−15
TEL:050-5484-4005

長生殿価格

長生殿4枚入り 1080円(税込み)

長生殿

長生殿小墨6枚入り 540円(税込み)

長生殿小墨

コローの一言

今回の取材旅から帰るとほぼ同時に『令和6年能登半島地震』が発生し、テレビやスマホのニュース一面に速報が流れ、翌日になるとその甚大な被害が広がるように明るみにでて来ました。

『犠牲になられた方々にお悔みを申し上げるとともに被災されたすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。』

この記事を目にされた方々が石川県に興味をもってもらい、微力ながら復興の一助へとなれればと願っております。


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