パイナップルケーキとは
台湾のお菓子で、甘味が特徴的な台湾産パイナップルを煮詰め餡にし、ホロホロした食感のクッキーで包んだ一口サイズの焼き菓子です。
柔らかなクッキーとフルーティーな餡が組み合わさった素朴な味は、人を惹きつける不思議な魅力があります。
台湾では多くの専門店があり、観光客からもお土産として人気が高いお菓子となっていて、日本では『パイナップルケーキ』台湾では『鳳梨酥(オンライソー)』中国では『フォンリースー』と呼ばれています。
餡はパイナップル100%で作られるものと、昔ながらの製法でパイナップルと冬瓜を混ぜて作られるものがあり、前者を土鳳梨酥、後者を鳳梨酥と区別されています。
台湾のパイナップルは驚くほど甘い
パイナップルケーキに使用されている台湾産パイナップルは、日本で食べられているフィリピン産のパイナップルとはとは違うものになります。
上下の写真の右がフィリピン産のパイナップル、左が台湾産のパイナップルです。
外見はフィリピン産が黄緑色に対して台湾産はオレンジ色をしています。
果肉の見た目はあまり変わらない。
味の特徴
フィリピン産のパイナップル
酸味が強く甘味が少なくて爽やかな味。
芯部分は固くて食べられないので切り落とします。
台湾産のパイナップル
酸味は弱く甘味が強くてフルーティーな味。
芯部分まで柔らかく切り落とす必要がない。
日本でパイナップルケーキが買える場所
お恥ずかしい話ですが、お菓子作りに携わる仕事をしていたのに、とある旅小説を読むまでパイナップルケーキの事を知りませんでした。
そもそも日本でパイナップルケーキを見かける事はあまりありません。
そこで、日本でパイナップルケーキを売っているお店を探して来ました。
※賞味期限は私が購入したものの期限を載せさせていただいております。
輸入品という事もあり、記事の情報にばらつきが出てしまっておりますがご容赦ください。
※味の感想は、あくまで私の独断と偏見によるものなので参考程度に留めてください。
微熱山丘 (サニーヒルズ)
・台湾産パイナップルを使用
・現地台湾で製造
『微熱山丘』は台湾で素材にこだわったパイナップルケーキを作る人気店。
そんな微熱山丘は東京にも数店舗出店をしています。
その中でも特徴的なお店『微熱山丘 南青山店』へ行ってきました。
国立競技場などをデザインした隈研吾が設計した木組みのお洒落なお店です。
台湾では「奉茶」という来客を茶でもてなす風習があり、微熱山丘南青山店でも商品を購入したお客さんに、お茶とお菓子を出しておもてなししてくれます。
芸術的な建物の中で、美味しいお茶とお菓子を頂ける嬉しいサービスです。
商品は可愛らしいデザインの麻袋に入れてくれます。
「麻袋の代わりに値引きするサービスもありますよ。」と店員さん、「もちろん袋をいただきます!」(私)
微熱山丘のパイナップルケーキの味
クッキー部分
・食感はシットリ
・甘さ控えめ
『ニュージーランド産グラスフェッドバターを使用していて、体にも優しく上品でまろやかな味。』
餡部分
・台湾産パイナップル100%
・甘さ控えめ
『果実感がしっかりと残った餡がたっぷりと詰められ、シャキシャキとした食感に自然な甘味と香り。』
感想
大きく食べ応えがあり、パイナップルの食感と香り、まろやかなクッキーの組み合わせは、優しく上品な味。
あっという間に1箱食べきってしまった。
価格:5個入り(税込み)1850円など
賞味期限:25日前後
ホームページ:微熱山丘SunnyHills
郭元益 (グォユェンイー)
・台湾産パイナップルを使用
・現地台湾で製造
『郭元益』は創業150年以上の台湾老舗菓子屋。
こちらのパイナップルケーキは台北市主催のパイナップルケーキコンテストで金賞を受賞した品です。
日本では唯一日本橋にあるコレド室町テラスに郭元益のお店があります。
周辺にはコレド室町1や2などがあり少し迷いそうですが、コレド室町テラスの中です。
コレド(COREDO)とは江戸の中心という意味の造語らしく、室町時代って京都だったような・・
江戸の中心京都ってコト? (´・ω・`)
郭元益のパイナップルケーキの味
郭元益のパイナップルケーキは、餡がパイナップル100%の土鳳梨酥と、パイナップルと冬瓜を合わせた鳳梨酥の2種類があります。
金賞を受賞した鳳梨酥の方を購入しました。
クッキー部分
・食感はホロホロ
・甘さ控えめ
餡部分
・台湾産パイナップルと冬瓜のブレンド
・甘め
『しっかり煮詰められたジャム状の餡に、ダイス状の果肉が食感のアクセントとなっていて、しっかりと甘さがある。』
感想
ホロホロと崩れるクッキーに、甘味とほど良い酸味がある餡。
恐らく台湾では、基本的なバランスのパイナップルケーキの味になるのかなぁ・・と思います。
価格:2個入り(税込み)864円など
賞味期限:60日前後(私が購入した物の期限です。)
ホームページ:郭元益
竹葉堂
・台湾産パイナップルを使用
・現地台湾で製造
カルディコーヒーファームで見つけたパイナップケーキ。
↑店員さんの許可を頂いてパシャリ。
「カルディコーヒーファーム」や「Amazon」「スーパーの輸入菓子コーナー」「台湾のアンテナショップ」などで買える『竹葉堂』のパイナップルケーキです。
こちらのパイナップルケーキについての情報はあまり入手できませんでしたが、どうやら台湾で輸出向けの菓子を作っているメーカーの商品のようです。
日本全国に取扱店があるので、この記事で紹介するパイナップルケーキの中では一番身近なものだと思います。
竹葉堂のパイナップルケーキの味
価格も手頃で、一見 生産性を重視した工場での量産菓子の様に見えたのですが、味は本格的です。
原材料表示を見ると量産工場特有の材料が入っておらず、職人が一つずつ手作りするスタイルに近い製法なのかもしれません。
クッキー部分
・食感はサクッと少し硬め
・甘さ控えめ
餡部分
・台湾産パイナップル100%
・甘め
『しっかりとした甘さのジャム状の餡は、ネットリとした食感で果実感もあり。』
感想
価格は1個100円程なのに、まるで300円クラスに迫る美味しさ。
このパイナップルケーキは気軽に本格的な味を楽しめるので、かなり満足感あり。
たまたまかもしれませんが、餡が飛び出したりと形が悪い物も混ざっていました。
価格:6個入り(税込み)537円(カルディコーヒーファームでの価格。購入場所により多少値段に違いあり。)
賞味期限:9か月(私が購入した物の期限です。)
重慶飯店(ジュウケイハンテン)
・台湾産パイナップルを使用
・日本で製造
横浜中華街にある四川料理のお店『重慶飯店』。
レストランに併設されている売店で売っていました。
私には、なぜ台湾のお菓子が中華料理店で売られているのか良くわからなかったのですが、中華街を散策していると重慶飯店以外にもパイナップルケーキを売っているお店が見られました。
どうやら中華街とは、台湾も含む中華圏の料理が集まる街みたいです。
重慶飯店のパイナップルケーキの味
クッキー部分
・食感しっとり
・甘め
『フランス産の発酵バターを使用していて、発酵バターの芳醇な風味がある。』
餡部分
・台湾産パイナップル100%
・甘さ控えめ
『パイナップルの果実感が残るフルーティーな餡。』
感想
芳醇なクッキーとフルーティーな餡がバランス良く主張し合っている。
まるで高級洋菓子のような味。
価格:2個入り(税込み)648円など
賞味期限:40日(私が購入した物の期限です。)
ホームページ:重慶飯店
萬珍樓 (まんちんろう)
・フィリピン産パイナップルを使用
・日本で製造
『萬珍樓』こちらも横浜中華街にある広東料理のお店。
豪華な店構えは思わず見上げてしまう。
「この写真だけ見ると海外旅行のワンシーンに見えるかも」・・でも日本です。
横浜中華街を散策していた時、偶然こちらでパイナップルケーキが売られているのを見つけました。
萬珍樓のパイナップルケーキの味
クッキー部分
・食感シットリ
・甘さ控えめ
『シットリとした食感に、チーズの香りと塩味が感じられる甘さ控えめのクッキー。』
餡部分
・パイナップル100%
・甘め
『フィリピン産のパイナップルの特徴が出ているジャム状の酸味のある餡、シャキッとした果実感もあり。』
感想
チーズの香りと微かな塩味、パイナップルの爽やかさが際立っているパイップルケーキ。
私が見つけた中で唯一フィリピン産のパイナップルを使っていて、他にはない爽やかな風味が楽しめました。
価格:1個(税込み)320円など
賞味期限:40日程 (私が購入した時の期限です。)
ホームページ:萬珍樓
台湾カステラ専門店 名東 (メイトウ)
・台湾産パイナップルを使用
・日本で製造
都内中心に展開している焼きたて台湾カステラの専門店『名東』。
台湾スイーツのお店ということで、パイナップルケーキも販売しておりました。
こちらのカステラはたまに買いに来ていたのですが、パイナップルケーキを知る前は店先に並んでる事にも気が付かなかった。
某探偵さんのセリフにある「見てはいても、観てはいない」って事ですね。
と、レジ待ち中に思った。
主に都内の駅中にお店があるので、都内在住の方だとお出かけのついでなどで購入しやすいと思います。
名東のパイナップルケーキの味
クッキー部分
・食感ホロホロ
・かなり控えめの甘さ
『ホロッサクッとした食感、良くも悪くもバター感は少なく、甘さは凄く控えめ。』
餡部分
・台湾産パイナップル100%
・甘め
『台湾産パイナップル100%で作られたジャム状の甘い餡の中に、シャキッとした果実感がある。』
感想
駅にお店があり、購入しやすさが良い。
大きく食べ応えがあり餡の部分も美味しくて良いのですが、正直クッキーがあまり好みではありませんでした。
風味が薄く、重ったるさも私は感じられた。
価格も高価な部類に入り、少々割高感を感じました。
価格:6個入り(税込み)1950円など
賞味期限:40日(私が購入した物の期限です。)
ホームページ:台湾カステラ専門店 名東
崎陽軒
・沖縄県産のパイナップル果汁を使用
・日本で製造
神奈川県では、シウマイ弁当でお馴染みの『崎陽軒』。
崎陽軒では沖縄と横浜を舞台にしたドラマとのコラボレーションで作られた『横浜パイナップルケーキ黒糖』が売られています。
崎陽軒の横浜パイナップルケーキ黒糖の味
崎陽軒オリジナルのパイナップルケーキで、台湾の鳳梨酥とは別物です。
中にパインジャムを詰めた黒糖クッキーといった感じ。
クッキー部分
・食感はサックっと硬め
・甘め
『ガレット・ブルトンヌのようなサクッとした食感の黒糖入りクッキー。』
餡部分
・甘め
・パイナップルのジャム
感想
鳳梨酥とは言えませんが、黒糖の風味が効いたサクッとした食感の生地に、パイナップルのジャムが入っていて美味しいクッキー。
価格:1個(税込み)180円
賞味期限:90日
ホームページ:崎陽軒
コローの一言
「中の餡がジャム状のタイプは、オーブントースターで少し加熱して食べると風味が引き立つのでお勧めです。」
今回ご紹介したパイナップルケーキで、私が特にお勧めする上位3品を記載させていただきたいと思います。
1位 微熱山丘(サニーヒルズ)
台湾パイナップルの美味しさが活かされた上品な一品。
サービスの良さも印象的。
「パイナップルケーキの記事を書こう!!」と思わせてくれた土鳳梨酥。
2位 竹葉堂
購入しやすさと価格以上の美味しさ。
親しみやすい価格と満足感のある味、それが台湾で愛されるパイナップルケーキ本来の姿なのだと思う。
3位 重慶飯店(ジュウケイハンテン)
風味豊かなクッキーとフルーティーな餡の組み合わせは、高級洋菓子を食べているみたい。
繁体字が読めない・・(;’∀’)
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