牛乳の知識・牛乳の種類、作られる工程、白く見える理由、お菓子作りに向いている牛乳とは

牛乳

 牛乳は全て国産100%

牛乳の原料となる生乳は、
貯蔵と品質管理がとても難しく、
搾乳後、すぐに加工できるように
全て国内生産です。

今回は、牛乳の種類や製造過程、
特性について書いていきたいと思います。

 乳牛の種類

国内の乳牛は主に3種類。
乳が採れるのは全てメスであり、
オスは食肉用になります。

ホルスタイン種
ホルスタイン種
国内の乳牛の99%がホルスタイン種です。
体が大きく 乳量が多いのが特徴。
乳脂肪分は約3.8%

ジャージー種
ジャージー種
ホルスタイン種に比べ体が小さく、
乳量も少ないですが、生乳に含まれる
乳脂肪分が高いのが特徴。
乳脂肪分は約5%

ブラウンスイス種
ブラウンスイス種

日本では 頭数は少なく、バターやチーズなど
加工乳に適した乳質となっています。
乳脂肪分は約4%

1頭のホルスタイン種から
1日約20~30ℓの生乳がとれます。

 牛乳が出来るまで

生乳

牧場で乳牛から生乳を搾乳
タンクローリーで農場から
牛乳工場へと運ばれる。
生乳には細菌が含まれている為、
この状態で飲むことは少ないです。

乳質検査

温度検査や細菌検査、
酸度検査など多くの検査を
して、検査に合格したものを
工場の貯乳タンクに入れる。

異物の除去

遠心分離機、ろ過機を通して
異物の除去を行う。

均質化(ホモジナイズ)

60℃~85℃に加熱して
均質機(ホモジナイザー)で
乳脂肪分を細かく砕く。

殺菌

生乳の中にいる雑菌を殺菌する為
加熱処理を行う。

冷却

殺菌後すぐに冷却して包装容器に充填する。

均質化(ホモジナイズ)

生乳は、液中の乳脂肪分が0.1~10ミクロン
の大きさで存在していて、
暫く置いておくと軽い脂肪分が表面に浮き、
クリーム状の層が出来てしまいます。

また、乳脂肪分同士
くっ付きやすい状態で存在していて、
振動を与えるとお互いにくっつき、
乳脂肪分の塊 バターができます。

そんな不安定な生乳を安定させる為
均質化(ホモジナイズ)を行います。

生乳を 予熱機で60~85℃に加熱した後、
均質機(ホモジナイザー)で
狭い隙間に高圧で生乳を通し、
脂肪分を砕きます。

ホモジナイズを行った牛乳は
層が分かれる事もなく、
振動で固形化することも無くなります。

あえて均質化をおこなっていない牛乳もあり、
それをノンホモ牛乳と呼びます。
生乳に近い味わいを楽しめる牛乳です

牛乳(生乳)の殺菌方法

生乳の殺菌方法は大きく
次の4種類に分けられます。

低温保持殺菌法 (LTLT)
62℃~65℃ で30分
高温短時間殺菌法 (HTST) 
72℃~85℃ で10~15秒
超高温瞬間殺菌法 (UHT)
120℃~130℃ で2秒
超高温瞬間滅菌法 (UHT)
135℃~150℃ で1~4秒
温度が高い程 殺菌力は強く、
保存性は高まりますが、
それに伴い、たんぱく質の変性も起こります。
基本 栄養価に変化は出ませんが、
口当たりやコクなどに変化が出てきます。

殺菌法による味などの違い

低温保持殺菌法 
サッパリとしていて甘く、
生乳本来の味に近い。
賞味期限がやや短い。
超高温瞬間殺菌法
日本の牛乳の9割がこの殺菌方法で
コクが有り 香ばしい。
賞味期限が長め。

牛乳の種類

スーパーに並んでいる牛乳には
表示らんに「種類別名称」という項目があり、
それぞれ次のように分類されています。

成分無調整牛乳

生乳100%からなり、乳脂肪分が3%以上
無脂乳固形分(炭水化物やミネラル)8%以上のもの。

成分調整牛乳

生乳100%からなり、
乳脂肪分、水分、ミネラルなどの一部を
取り除き調整したもの。

低脂肪牛乳

生乳100%からなり、
乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下に調整したもの。

無脂肪牛乳

生乳100%からなり、
乳脂肪分を0.5%以下に調整したもの。

加工乳

生乳に、脱脂粉乳やクリーム、バター
などを添加して作られたもの。

牛乳が白い理由とカゼイン

牛乳の液中には「乳脂肪」と「カゼイン
というたんぱく質が粒子状に分散していて、
そこに光が当たると光の散乱を起こし、
全体的に白く見えるのです。

カゼイン

赤ちゃんの為の大切なたんぱく質


赤ちゃん

カゼインは牛乳のたんぱく質の内80%を占め、
赤ちゃんの栄養吸収に役立つシステムをもっています。
※人の母乳にも含まれています。

カゼインが胃の中に入ると胃酸と反応して
ゲル状化し、固体へと変化します。

それにより消化器官をゆっくり通過し、
乳児の未熟な消化器官でも効率よく
栄養を吸収できるようになるのです。

カゼインは高温で変性を起こし、
ゲル化力を失っていくので、
生乳本来の姿で飲むのなら
カゼインが多く残っている
低温殺菌牛乳がよりよいです。

人によってカゼインが原因でお腹がゴロゴロ
してしまう人もいます。
それは消化酵素が減ってしまっているのが原因です。
そんな人は毎日少しずつ牛乳を飲んでいくと
失われた酵素が戻り、
お腹のゴロゴロ感も減っていきます。

お菓子作りから見る牛乳

お菓子作りに使う牛乳は、
基本成分無調整がお勧めです。

成分無調整牛乳はどれも、
中の成分に差が少なく、
仕上がりが安定します。

また 加熱量が多い程 たんぱく質の変質が進み、
香りなどに変化が出てしまいます。

なので最終的な熱変性が少なくて、
まろやかな仕上がりになる
低温殺菌牛乳がおススメです。

私がよくお菓子作りに使う牛乳はコチラ
「タカナシの低温殺菌牛乳」

低温殺菌牛乳
カスタードも美味しく炊けますよ。

 コローの一言

前に、ノンホモ牛乳を使用して
カスタードとプリンを試作した記録があります。

意外な仕上がりとなりましたので
よかったら見て行ってください。↓

ノンホモ牛乳

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